鬼滅の刃

※ネタバレあり


鬼滅の刃 1 吾峠呼世晴 集英社

3周目か4周目、まだまだ読み飽きない、けれどやっぱり冒頭は辛いなあ。。さて、今回気になったのは義勇の手紙。あれ?炭治郎、あのとき剣士になりたいなんて一言も口にしてないよ!ってこと。どちらにしろ他に道はないし適正もあったのだけど、意訳しちゃったのかな。義勇については、水の呼吸の使い手だし錆兎と半纏の柄が同じ亀甲だしで、鱗滝さんの弟子だと思いこんでたけど、最終選別での異能の鬼の言葉「アイツの弟子はみんな殺してやる」が地味に気になる。それから気をつけて見ると、解説ページに柱が数名顔を出していたりして楽しい。


鬼滅の刃 2

家族を失って剣士を目指し、育手の元での修行と最終選抜をパスするまでを、ほぼ1冊に収める出し惜しみのない怒涛の展開。さらに今巻では景気良くラスボス登場だけれども、この無惨様がとっても素敵!人気が出ると引き伸ばされて新鮮さを失う掲載誌の悪癖を思うにつけ、本作はぜひこのテンポの良さを保ったまま走り抜けて欲しいと願わずにはいられない。画力の拙さを言う向きもあるけれど、私はこの絵に惹かれて読み始めました。遊びと動きのある柔軟な描線が好きなので、小奇麗に堅くまとまらないで欲しいと思ってしまう。禰豆子の脚は眼福です。

無惨様、千年前だと平安末期で陰陽師が活躍していた頃のお生まれかな。はじめから鬼だったのか、人間だった頃があったのか。世の中に絶望した陰陽師の成れの果てだったら、どこかの星の王とお仲間だね(•ө•)♡

鬼滅の刃 3

無料配信しているからと友人に薦められ、何気なく覗いてみたら、これがたいそう面白かった。大正の世、人食い鬼とそれを狩る〈鬼殺隊〉のお話。少年誌にしては愛らしく優しげな絵柄と、陰惨でややグロテスクな表現。多すぎるネーム(文章)が独特のテンポをつくり、そこから生まれる気の抜けた笑いが癖になる。真面目で優秀だけどやや頭が固く、家族想いで思いやり深い主人公の炭治郎は、正直すぎるモノローグがいっそ新しい。バトルもの王道少年漫画に今さら新しいものは期待しないつもりでいたけど、こんな出会いがまだあったとは。


鬼滅の刃 4

物語の中心が人喰い鬼との戦いなので、バンバン人が死ぬし血糊の量も半端ないのに、この作者さんの緩急の付け方はほんと凄い。どれだけ重い展開の中でも、善逸の顔を見るだけで何だか緩んでしまう。主人公の炭治郎が生真面目で優秀なので、善逸の残念さに親しみを感じてしまうのかな?この子もやればできる子のはずなんだけど。藤の家紋のおばあちゃんの家はまた出てきて欲しいな。息抜きって大切。ここにきて再登場した義勇さんは、やはり組織内でもかなりの有力ポジションのようです。柱って聞くと、どうしても神様を想像してしまう。


鬼滅の刃 5

蜘蛛編クライマックス。誰か善逸を早く助けてあげてー!「お兄ちゃんまで死んでしまうわよ」ねずこが口をきけたら、とふと思う。でなければ、せめてモノローグを。家族のこと兄のこと自分のこと、どう受け止めているのかな。元々はおそらく兄譲りの生真面目な性格をしているだろうけど、鬼になってからは変化してしまってるのかしら。年齢を考えても、人であった頃よりもだいぶおさなげに描かれていることも気になります。累の最期や鬼についての炭治郎と義勇のやりとりは、やはり胸に響きました。哀しみと優しさの描き方がうまいなあ。。

鬼滅の刃 6

安定の善逸に笑い、鱗滝さんの手紙に胸熱くする。連載1回目、炭治郎に「生殺与奪の権利を他人に握らせるな!」と啖呵を切ったはずの義勇が、自分の首をその炭治郎と禰豆子に預けることの覚悟、腹の括り方と信頼にくらくらしてしまう。炭治郎は境遇が壮絶だけど、心ある人たちに囲まれているのは、ひとえに本人の人徳が成すところだよね。鬼を鬼として斬って捨てるのならばともかく、人としての哀しみを認めながら手をかけるのは、ずっと辛くてしんどいことだろうに。そんな中にあって胡蝶屋敷での機能回復訓練は、読んでいてとても楽しかったです。

鬼滅の刃 7

うまい!うまい!俺たち洞窟探検隊!にひとしきり笑ったあとでの、炭治郎の夢にただただ涙した。置いて行かないで、って、炭治郎こそどれだけ叫びたかっただろう。それでも振り返らず戻らずに、甘い夢よりも辛い現実を選ぶ姿、覚悟の強さがひたすらに痛ましい。あのふしぎな穏やかさは、諦めや空しさからくるのではない、深く沈んで底を見た人だけが得るある種のさとりかとも思う。無常、だけれども執着を捨てない。しんどい。無意識領域の透徹な美しさはほとんど聖人、けれどあの覚醒条件のえげつなさ!うーん、怖い方に常人離れしちゃってるよ!

鬼滅の刃 8

煉獄さん。。ご本人はもちろんのこと、長男キャラ炭治郎に面倒見のよい兄貴分が!と喜んだところだったのでやりきれない。「誰も死なせなかった、戦い抜いた、守り抜いた」炭治郎が見ていたことが、どれだけ煉獄さんの最期を救ったか。その背後に佇む人の姿にまた涙腺が緩む。さて、ヒノカミ神楽や日の呼吸の謎が見えてきて、神話好きとしてはカグツチとアマテラスが頭に浮かびます。そりゃ日は強いよ!日輪刀の黒い色は日の呼吸を極めろってことなのかな。次回は色街とのこと、無惨様がまたお色直しするのではと楽しみにしています。


鬼滅の刃9

禰豆子が箱から出てこない寂しさを墮姫ちゃんで補う巻。吾峠さんの描く女体は厚みがあって魅力的、墮姫は衣装も素敵。女装潜入作戦はベタだけど楽しそうなのに、駆け足すぎて半端に過ぎた感が惜しい。確かにこのハイテンポが鬼滅なんだけども。炭治郎の変顔には笑いと愛しさが同時にこみ上げて困った。嘘つくの辛いよね。宇髄さんは音柱だから、ゆくゆく善逸が継子になるのかしら。喧嘩するほどの師弟仲で上手くいきそう。蕨姫の横暴に抗議する善逸は格好良かった。宇髄さんは元忍びなのに派手好きなのはともかく、三人の嫁を受け入れる懐に感服。

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