11月に読んだ本
11月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3055
ナイス数:520
風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読。月影並みに続く陰鬱さが記憶にあったけど、久々に読んでみると小さな見せ場が結構あって、楽しく読了。ただ鈴と祥瓊の章だけだったら、やっぱりしんどかっただろうな。思い悩みながらもすでに王としての成長期に入ろうとしている陽子の、からりとした図太さが見ていて清々しい。何より景麒とのやりとりが、というか振り回されたり惚れ直したりと忙しい景麒の様子が見ていてたまらなく愛しい。見るべき語るべきところはいくらでもあるけど、つい浮わついた感想になっちゃうな。
読了日:11月01日 著者:小野 不由美
風の万里 黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読。陽子、終始苦笑してるなあ。BSでアニメ化された時は月影の酷い改変にガックリきたものの、風の万里クライマックスの素晴らしさには胸高鳴った。この上下巻で映画1本いけそうだけども、半端な映像化はしてほしくないな。清秀や蘭玉の最期は何度読んでいてもやりきれない。鈴と祥瓊の試練はどちらも見ていて読み手の黒歴史が甦る、陥りがちな自意識の罠。そこを脱したあと語り合う三人娘の晴れやかな声、きな臭い背景との鮮烈なコントラスト。誰も欠けなくて本当によかった。そして最後はやはり陽子の初勅、これに尽きる。
読了日:11月04日 著者:小野 不由美
華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読。采麟のキャラクターが苦手で読み返す時にも表題作は避けていたが、おかげでそうかこんなにミステリ色の強いお話だったのかと新鮮な気持ちで楽しめた。利広や風漢が無数に眺めてきた短命の王朝、砥尚はもしかすると祥瓊の父王と少し似ていたのかもしれない。高い理想と現実認識の甘さ、けれど最後まで気高く在り続けたその姿が。くらべてみるとやけに人間臭い奏や雁の玉座まわり。だからこその長命かと納得するが、そこに泰王を置くと少し不安。恥が苦手なあの高潔さ、芳や才に通じはしまいか。認識の甘さは感じないが。。
読了日:11月09日 著者:小野 不由美
白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)の感想
読了した今でこそようやく暁の天が見えてきた実感も湧くが、あの偽りの誓約の場面などはもう愕然としながら読んだ。精神的な凌辱ではないの、いや実際に血を流しているならそれ以上の。私の、とあえて言うけども、私の愛しい泰麒に何を。目の前が暗くなる。この期に及んでも正頼であり続けてくれた正頼にはもう涙しかない、生きていてくれて嬉しいとそれでも言いたい、泰麒とだけではなく主上とも再会してくれると信じてる。泰麒の心には異郷となった故郷があり、そこに残してきた人物があり、癒えない罪の意識がある。泰麒にこそ救われてほしい。
読了日:11月11日 著者:小野 不由美
白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)の感想
救出を待たず自力で脱出してくるあたりがさすが主上、そこから李斎との再会までの昂りときたら。けれども今作は違った、奇跡と逆転は確かにあった。けれどそこに痛快さはなく、胸に迫るのは名も挙がらずに消えていった心ある人々の影、その重み。前半で描き出された民の辛苦、下命とあれば否とは言えない兵卒の葛藤、泰麒や李斎の物語に終わらなかった。ああでも無粋を承知で言わせてほしい、王と麒麟にもっと会話を!泰麒の予後、慶主従だけでなく汕子との再会も見たい。けれどそんな我儘も、並んで養生する主上と正頼にほだされた。短編集も期待。
読了日:11月12日 著者:小野 不由美
久遠の庭 「十二国記」 画集 (第一集)の感想
新潮文庫版で揃え直した際、WH版を手放してしまっているので、こうして見ると懐かしいやら惜しいやら。もちろんそのへん狙いの画集刊行、あざといけれど有難いのも確かだわ。当時も今もお気に入りの表紙絵は風の海2作、合わせても400ページいかないのに上下巻組なのはこの表紙のためだと今も思う。面白いのはネズミ姿の楽俊で、シリーズが下るほどデフォルメが効き可愛らしくなっていく。青年姿も慎み深くて好印象。挿画の墨絵はやはり竹ペンと筆なのか、このサイズで見ると線の掠れも生々しい。抜け感があり、手数は多くても筆は速そう。
読了日:11月16日 著者:山田 章博
魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読、風の海&白銀バレ注意。高里が泰麒としての記憶を取り戻す場面見たさに手に取るも、ホラーをホラーとしてのみ読めこなせず思わぬ苦しさに見舞われる。自身のエゴを高里に押し付ける広瀬を哀れな若者だと諦め、許せないと切って捨てていた高里母の振る舞いを痛ましく身近に思えるほどには、初読時から時が経ち私の感覚も変化したのだろう。幼い泰麒を愛でるあまり失念しかけていたけれど、高里要としての人生はすでに神隠し前から過酷だったのだ。さらに凄惨に過ぎた数々の事件、白銀での彼はなるべくしてなった姿だと納得。
読了日:11月23日 著者:小野 不由美
ノラネコぐんだん カレーライス (コドモエのえほん)の感想
【5歳1ヶ月】サイン会にて購入。緊張して喋れない私に笑いかけ、息子を手元に呼んで下さり、目の前でサイン。ご本人はベリショの似合う小柄な方で、緑色のジャケットがお洒落でした。今回もノラネコぐんだんのいたずらとワンワンちゃんのお説教タイム、という大筋はそのまま、ただしドッカーンのかわりに。。息子も私もトラのおやぶんが大好きなのに、お伝えしそびれちゃったなあ。言わずと知れた人気作家さんですが、出会いは書店で児童書担当をしていたころ手に取ったピヨピヨシリーズ。今も実はあちらが本命です。エビのカレー、食べたいな。
読了日:11月23日 著者:工藤 ノリコ
黄昏の岸 暁の天 十二国記 8 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読、白銀バレ注意。「見る目がある」発言が小物っぽくて驍宗様の第一印象が悪かったこと、柔和で鷹揚な李斎に泰麒の主となって欲しかったことなど、忘れていた初読の昔を思い出す。けれど白銀に続く受難の李斎にその面影はなく、利き腕を失って死の淵を彷徨い、期待と失望に翻弄されながら泰麒を求める姿はひたすらに痛ましい。そこを混ぜっ返してくれる慶の面々に救われながら、これを戴朝廷で読みたいと夢見て裏切られる。思えば今巻の内容から玉京に触れる新刊展開を予想したものだけど、そこも秘されたままだったなあ。
読了日:11月26日 著者:小野 不由美
読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3055
ナイス数:520
風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読。月影並みに続く陰鬱さが記憶にあったけど、久々に読んでみると小さな見せ場が結構あって、楽しく読了。ただ鈴と祥瓊の章だけだったら、やっぱりしんどかっただろうな。思い悩みながらもすでに王としての成長期に入ろうとしている陽子の、からりとした図太さが見ていて清々しい。何より景麒とのやりとりが、というか振り回されたり惚れ直したりと忙しい景麒の様子が見ていてたまらなく愛しい。見るべき語るべきところはいくらでもあるけど、つい浮わついた感想になっちゃうな。
読了日:11月01日 著者:小野 不由美
風の万里 黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読。陽子、終始苦笑してるなあ。BSでアニメ化された時は月影の酷い改変にガックリきたものの、風の万里クライマックスの素晴らしさには胸高鳴った。この上下巻で映画1本いけそうだけども、半端な映像化はしてほしくないな。清秀や蘭玉の最期は何度読んでいてもやりきれない。鈴と祥瓊の試練はどちらも見ていて読み手の黒歴史が甦る、陥りがちな自意識の罠。そこを脱したあと語り合う三人娘の晴れやかな声、きな臭い背景との鮮烈なコントラスト。誰も欠けなくて本当によかった。そして最後はやはり陽子の初勅、これに尽きる。
読了日:11月04日 著者:小野 不由美
華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読。采麟のキャラクターが苦手で読み返す時にも表題作は避けていたが、おかげでそうかこんなにミステリ色の強いお話だったのかと新鮮な気持ちで楽しめた。利広や風漢が無数に眺めてきた短命の王朝、砥尚はもしかすると祥瓊の父王と少し似ていたのかもしれない。高い理想と現実認識の甘さ、けれど最後まで気高く在り続けたその姿が。くらべてみるとやけに人間臭い奏や雁の玉座まわり。だからこその長命かと納得するが、そこに泰王を置くと少し不安。恥が苦手なあの高潔さ、芳や才に通じはしまいか。認識の甘さは感じないが。。
読了日:11月09日 著者:小野 不由美
白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)の感想
読了した今でこそようやく暁の天が見えてきた実感も湧くが、あの偽りの誓約の場面などはもう愕然としながら読んだ。精神的な凌辱ではないの、いや実際に血を流しているならそれ以上の。私の、とあえて言うけども、私の愛しい泰麒に何を。目の前が暗くなる。この期に及んでも正頼であり続けてくれた正頼にはもう涙しかない、生きていてくれて嬉しいとそれでも言いたい、泰麒とだけではなく主上とも再会してくれると信じてる。泰麒の心には異郷となった故郷があり、そこに残してきた人物があり、癒えない罪の意識がある。泰麒にこそ救われてほしい。
読了日:11月11日 著者:小野 不由美
白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)の感想
救出を待たず自力で脱出してくるあたりがさすが主上、そこから李斎との再会までの昂りときたら。けれども今作は違った、奇跡と逆転は確かにあった。けれどそこに痛快さはなく、胸に迫るのは名も挙がらずに消えていった心ある人々の影、その重み。前半で描き出された民の辛苦、下命とあれば否とは言えない兵卒の葛藤、泰麒や李斎の物語に終わらなかった。ああでも無粋を承知で言わせてほしい、王と麒麟にもっと会話を!泰麒の予後、慶主従だけでなく汕子との再会も見たい。けれどそんな我儘も、並んで養生する主上と正頼にほだされた。短編集も期待。
読了日:11月12日 著者:小野 不由美
久遠の庭 「十二国記」 画集 (第一集)の感想
新潮文庫版で揃え直した際、WH版を手放してしまっているので、こうして見ると懐かしいやら惜しいやら。もちろんそのへん狙いの画集刊行、あざといけれど有難いのも確かだわ。当時も今もお気に入りの表紙絵は風の海2作、合わせても400ページいかないのに上下巻組なのはこの表紙のためだと今も思う。面白いのはネズミ姿の楽俊で、シリーズが下るほどデフォルメが効き可愛らしくなっていく。青年姿も慎み深くて好印象。挿画の墨絵はやはり竹ペンと筆なのか、このサイズで見ると線の掠れも生々しい。抜け感があり、手数は多くても筆は速そう。
読了日:11月16日 著者:山田 章博
魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読、風の海&白銀バレ注意。高里が泰麒としての記憶を取り戻す場面見たさに手に取るも、ホラーをホラーとしてのみ読めこなせず思わぬ苦しさに見舞われる。自身のエゴを高里に押し付ける広瀬を哀れな若者だと諦め、許せないと切って捨てていた高里母の振る舞いを痛ましく身近に思えるほどには、初読時から時が経ち私の感覚も変化したのだろう。幼い泰麒を愛でるあまり失念しかけていたけれど、高里要としての人生はすでに神隠し前から過酷だったのだ。さらに凄惨に過ぎた数々の事件、白銀での彼はなるべくしてなった姿だと納得。
読了日:11月23日 著者:小野 不由美
ノラネコぐんだん カレーライス (コドモエのえほん)の感想
【5歳1ヶ月】サイン会にて購入。緊張して喋れない私に笑いかけ、息子を手元に呼んで下さり、目の前でサイン。ご本人はベリショの似合う小柄な方で、緑色のジャケットがお洒落でした。今回もノラネコぐんだんのいたずらとワンワンちゃんのお説教タイム、という大筋はそのまま、ただしドッカーンのかわりに。。息子も私もトラのおやぶんが大好きなのに、お伝えしそびれちゃったなあ。言わずと知れた人気作家さんですが、出会いは書店で児童書担当をしていたころ手に取ったピヨピヨシリーズ。今も実はあちらが本命です。エビのカレー、食べたいな。
読了日:11月23日 著者:工藤 ノリコ
黄昏の岸 暁の天 十二国記 8 (新潮文庫)の感想
戴国新刊発売を機に再読、白銀バレ注意。「見る目がある」発言が小物っぽくて驍宗様の第一印象が悪かったこと、柔和で鷹揚な李斎に泰麒の主となって欲しかったことなど、忘れていた初読の昔を思い出す。けれど白銀に続く受難の李斎にその面影はなく、利き腕を失って死の淵を彷徨い、期待と失望に翻弄されながら泰麒を求める姿はひたすらに痛ましい。そこを混ぜっ返してくれる慶の面々に救われながら、これを戴朝廷で読みたいと夢見て裏切られる。思えば今巻の内容から玉京に触れる新刊展開を予想したものだけど、そこも秘されたままだったなあ。
読了日:11月26日 著者:小野 不由美
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